■1■

 

まぶしい太陽、厚い雲、果てしなく広がる青い海。
湿った潮風が頬にあたる。
心地の良い波の音ともに聞こえるのは海鳥たちの歌声。
山育ちのオレには見慣れぬ景色だ。

今、オレたちは新たな旅出に胸を躍らせている。

 

「旅って最高だな!なあライア、ナイ・・・」

どざーーーー。

後ろの二人に向かって、そう笑顔で振り返った瞬間、突然頭上に現れる大量の水。
青い長髪の青年が頭に怒りマークをつけて腕組みし、こちらを睨んでいる。

「なっっっっっっに・・・・のんきなこといってんですかっ!!」

たっぷり溜めて、一喝。
青い髪を振り乱してオレの幼馴染にして旅の相棒の一人ナイツはオレに怒鳴りつける。
ちなみにさっきの大量の水はコイツの仕業だ。
得意の水魔法でオレの頭の上に水を召喚したらしい。
くそーー。せっかくの晴れ晴れしい気分が台無しだ。

「冷て・・・!いきなり何するんだよ。」

オレは水浸しになった髪をプルプルふりつつ抗議するとナイツはジト目でオレを一瞥し、

「少しは頭が冷えたでしょ。いい加減現実を見て下さい。
 たっく!君に地図なんか持たせるんじゃ無かったですよ!」

そう言うとフンと鼻息荒くプイっとそっぽを向く。

「相変わらず短気なヤツだなー。ちょっと道間違えただけじゃないか。」

「『ちょっと』・・か?」

そう言いがら荷物から布を出し、オレの赤髪をわしわしと拭いてくれたのはライア。
ナイツと同じく、幼馴染で旅の仲間の紅一点。エルフの女の子だ。
 
「地図をさかさまに読んでて全く気がつかなかったのはちょっとではないと思うぞ。」

「うーーーん。ま・・まあ、よくある旅の初心者の失敗ってヤツだな。あはは!」

そうなのだ。
実はオレたちは旅立ったばかりだというのに、いきなり目的地を見失っていたりする。
というのも地図を持ったオレが北と南を間違えて読んでいたのが原因だったわけで・・。
いやー。旅に出るのが嬉しくてついついうかれたのがよくなかった。
いつもだったらこういうことはナイツかライアに任せるんだけど、やっぱり最初ぐらいはリーダーらしいところみせたいだろ?
紹介が遅れたが、オレの名前はシュガー・アイレマンド。
つい一ヶ月ほど前に、とある事情で慣れ親しんだ土地から離れて旅立ったばかりの駆け出しトレジャーハンターだ。
トレジャーハンターっていうのは世界中に眠ってるお宝を見つける最高にカッコイイ職業のこと。
ライアは『簡単に言うと無職』とか言うけど・・断じて違うっ!
本当は一人で旅に出る予定だったんだけど、この二人がオレを心配して追いかけてきたのがきっかけで、三人でトレジャーハンターチーム「トレはん」を組むことになったんだ。
ちなみにリーダーはオレ。
ナイツは顔だけがとりえのわがままなやつだし、ライアはマイペースで思い込みの激しいところがあったりするけど・・まあ!二人ともなんだかんだと頼りになる仲間だ。一応。

「よくある初心者の失敗?あははは?
 ・・・・・君・・・・・全然反省してないでしょ・・・・・?」

どうやらのん気に自己紹介なんかやってる場合じゃなさそうだ。
さっきのオレの楽観的な発言が気に障ったらしく、ナイツが全身から殺気みなぎらせながらオレに近づいてくる。

「もう僕たちに残された食料は残り僅かっ!
 これから先ひたすら魚食えって言うんですかーー!!」

マズイ・・・!完璧に頭に血が上ってる。今度は水浸しじゃすみそうもない。
もしかしたら攻撃魔法の一つでもぶっ放しそうな勢いだ。
くそー!
オレだってナイツには子供の頃から散々迷惑かけらてきたぞ!?
たまにオレが迷惑かけたぐらいいいじゃないか!
って・・・コイツは自分中心の超ナルシスト!オレの言い分なんて聞きゃしない。

「だー!ちょっと待て!!わかったわかった!なんとかすればいいんだろっ!」

「なんとかって具体的に何するんですか!」

「えーと・・・えーーーと。」

勢いで何とかすると言ったものの、実は何も考えてなかったりする。
やばい。早く具体案を言わないとまたナイツが暴れだす。

「と・・・とりあえず・・・現状把握・・・?周り何かないか見て見る・・とか?」

しどろもどろと苦し紛れに提案してみる。
・・といってもここは海岸。
見晴らしは果てしなく良く、見たところひたすら砂砂砂、海海海・・・。
周りに建物の一つも見えやしない。

「砂浜と海以外見えませんが?」
「だ・・・だよな・・。」

にっこり笑顔のナイツだが、その顔はピキピキと青筋が立っている・・。
これは非常にマズイ!
だけどやっぱりなんだか理不尽な気がする!
確かに道に迷った俺が悪いけど、みんなだって気がつかなかったじゃないかっ!
それをどうしてオレ一人に責任を押し付ける!?

そんな時葛藤するオレの目に砂浜にちょこんと座り、こちらの様子をぼーっと見ているだけのライアが映る。
そしてふと浮かんだ解決策!

「そーだっ!!!ライアが空飛んで近くに町がないか見てくればいいんじゃないかっ!」

そうだった。
ライアは『浮遊の魔法』とかいうのを操れたはずだ。
オレは魔法が得意じゃないからよくわからないけど、やたらと長い詠唱が必要らしくてライアいわく、使い勝手が悪いらしい。
それでも一度か二度、彼女が使ってたことがあったのを思い出した。

「なるほど。それは名案ですね。」

オレの意見を聞くと、ポンと一つ手を打ち、ナイツもコロッと機嫌をなおす。

「じゃあ、ライアよろしく!」

オレは笑顔でぽんぽんとライアの肩を叩くが、彼女はぷいっとそっぽを向く

「断る。」

は・・?今なんと・・・?
オレは笑顔でもう一度頼んでみる。

「えーと、ライアさん、空飛んで近くに町がないか見てきてください。
 ・・・・お願いしまっす!!!」

オレの全身全霊、誠意を込めてのお願い。
しかし・・・

「だから、断ると言っている。」

「な・・・なんで!?」

詰め寄るオレにライアは少し顔赤らめ、目線を外すと

「ふ・・・服の中が見えるではないか・・・・。」

「は・・・?」

「だから、空飛んだら、下から服の中が見えてしまうではないかっ!!!」

いやいやいやいや。ちょっと待て。
コイツの服装はローブの下に黒いスパッツをはいている。(しかもフツーに正面から見えてる)
なのに恥ずかしいと?
そんなキャラか!?
っていうか今そんなこと言ってる場合か!?

「お前スパッツはいてるんだからいいじゃねーか!!」

「それでも同じだっ!他人に下から覗かれるなんてわしは耐えられん!!」

「誰も覗かねーよ!!」

「そんな保障はなーい!」

ゼエハアゼエハア・・・
お互い息を切らすオレとライア
こ・・・こいつもしかして今まであまり浮遊の魔法を使わなかった理由ってもしやこれか!?
詠唱が長いからとか何とか言って、本当は恥ずかしかったから?
ライアは一人称が「わし」だったり、女の子の割には長い槍振り回して戦ったり(しかも強かったりする)
性格もサバサバしてるが、まさかこんな女の子な一面があったとは・・・!
ていうか、そんなとこだけ恥ずかしがるなっ!
オレからしたら、野宿するときにオレらと平気で川の字で寝てるほうがよほどどうかと思うが・・
とにかく、ここはなんとかライアを説得せねば・・!

「絶対上向かないから!だから・・・」
 
 
 

「嫌がる女の子を無理やり・・・・
 変態ですね・・・。」



オレの必死説得の言葉をさえぎり、言い放ったナイツの一言。

はたと冷静になってみれば、嫌がるライアを押し倒すような格好になっていたりする。
一瞬にしてあたりの空気が凍りつく。

「うわあああ!ゴメン!!」

あわててライアから離れるオレ。

「シュガーくんのヘンタイー。シュガーくんのすけべー。
 ライアちゃん、大丈夫ですか?ああ。可哀想に・・!!」

これ見よがしにオレを責めたて、ちゃっかりライアの点数を稼ぐナイツ。
なんだこの状況!?オレ完璧悪役・・・?ていうか変質者じゃねーか!

「いや・・!オレはただ・・!!」

「嫌がるライアちゃんを無理やり押し倒してるようにしか見えませんでしたが?
 下心・・・あったんじゃないですかぁ?」

ふふんと意地悪な笑みをうかべつつ、やたらと上から目線にオレを見るナイツ。

― それを言うならお前だろっ!!!

そういいたくなるのをオレはグッと堪えた。
言ったら最後、何倍になって返ってくるかわかったもんじゃない。
コイツには昔から口げんかで勝てたことないしなー。

正直、ライアに対して下心があるのはどう考えたってナイツのほうだ。
コイツ自身は絶対認めないが、どうやらナイツは子供の頃からライアに気があるようなのだ。
昔からライアちゃん、ライアちゃん。ライアの言うことは何でも賛同。
ちょっと前に友達同士で川辺に遊びに言ったときもこいつは「興味がありません。僕は木陰で読書してます。」とか言いながらライアたち女子が水遊びしているのを横目でこっそり見ていたのをオレは知ってる。
もし、あのままライアがオレの説得に応じて浮遊の魔法を使ったらコイツはさりげなく上を見るに違いない。
絶対やる!やるにきまってる!全財産かけたっていい!!
オレ?オレははっきりいってそういうことに興味がない。
ライアのことだって、大事な仲間で友達だけど異性としては見たことがない。
まあ、最近女の子っぽくなってきたよなーとか、魔物と戦うときに守ってやらなきゃとは思うけど。
って・・何考えてんだオレ・・。

「で・・・?シュガーくん。
 ライアちゃんが空飛べない以上どうするんですか?
 シュガーくんは僕らのリーダーでしたもんね。
 リーダーなら何とかしてくれるんでしょーね・・?」

オレが何も言い返せないことをいいことに調子に乗ってさらに嫌みったらしく言ってくる。
ふっ・・・。
もういい。吹っ切れた。
こうなったらやってやろうじゃねーか。

「2時間くれ。オレがひとっ走りして周りの状況確認してくる。」

前言撤回。
頼りになる仲間なんていない!
いるのはやっぱり頼りない超わがまま自己中ナルシストと天然エルフ娘だっ!
くそー!オレには誰もフォローしてくれる友達はいないのかっ!!!
そうこっそりと心の中で愚痴りつつ、オレは駆け出した

 

* * * * *

 

2時間休みナシの全力疾走というのは死に繋がるということが嫌というほどわかった。
ああ・・酸欠で意識が朦朧とする・・・。
だれか・・回復魔法を・・・・。

「シュガーいつまで砂浜とじゃれついてるんだ。行くぞ?」

そんなオレの願いもむなしく、紫髪の天然エルフ娘は笑顔で俺の手をぐいぐいと引っ張る。
悪魔がおる・・・ここに無邪気な悪魔がおる・・・!

「まったく、シュガーくんてば、だらしないですねぇ。
 あれしきのことで女の子に手を引っ張られなきゃ動けないとは。」

やれやれとナイツは首をふり、あきれた顔でそう言い放つ。
くそぅ・・・。
いつか・・いつかあの男やっちゃる・・・!!!

理不尽にもヘンタイ扱いを受けた可哀想なオレは、あの後必死に一人であたりに何かないか探した。
そして、海岸の岸壁に洞窟を発見したのだ。
洞窟の中は広い空洞で海水が通り、桟橋や洞窟内を移動するための船、魚小屋など、明らかに人の手が入っている様子だった。
残念ながら周囲に人の気配はなかったが、小屋の中には新鮮な食材が保管されおり、人がいた形跡があった。
今いないのはどこかに出かけているからかもしれない。
手持ちの食料も残り僅か、とにかく人のいるところに行かなければ話にならないということでオレたちはとりあえずその洞窟を目指して出発することにした。

ちなみに、オレが必死こいて走り回っていたときにこいつら二人はぐーすか浜辺で昼寝していやがった。
そりゃ元気だろうなぁ?
体力全快の二人は、体力Oでゲームだったら確実にウインドウが赤色になっているだろうオレを容赦なく起こし、洞窟へと案内させる。

洞窟の場所はオレたちがいた浜辺から1時間ほど歩いた場所にある。
歩き出してから20分ぐらいたち、代わり映えのしない景色に飽きたナイツがオレに寄りかかってきた。

「シュガーくーん。疲れましたよぅー。まだなんですかー?」

「はあ!?お前さっきまで昼寝してたんだろ?オレなんか全然休まずに歩いてんだぞ!?」

重くのしかかるナイツを右手でぐいと跳ね除け、オレはヤツを無視して前に進む。

「そんなこと言ったって疲れるものは疲れるんですー。」

今度はオレの首に掴まり、そのままオレにずるずる引きづられようとする。
コイツ・・・少しでも自分で歩かないようにしてやがる・・!

「だーもう!!自分で歩けっ!自分で!!何が悲しくて男に抱きつかれなきゃならないんだ!!!」

「あー。やっぱり。抱きつかれるならライアちゃんのほうがいいと思ってるわけですね?
 シュガーくんのすけべー。下心丸出し男ー。」

ああしまった!自ら墓穴を掘ってしまった!!
ナイツは面白がってオレの揚げ足をとって遊んでくる。

「ちっがーーーうう!!」

もうアッタマきた・・!
ガマンの限界が来たオレは一度このイヤミ男の頭を殴ってやろうとする。
 
「あれ・・・?」
 
・・・が何故かオレの拳はナイツの頭上をすり抜ける。

オレってナイツより背が高かったっけ?
それに疲れているせいなのかな?
目の前の景色が上下に動く。

「シュシュシュシュ・・・シュガーくん・・・!?」

「シュガー!!」

何故か二人はオレの顔をみてえらく驚いている顔をしている。
いや・・おびえてる?

ギャオウーー!!!!

突然背後から凄まじい咆哮が聞こえる。
振り返ればなんとオレの目の前には巨大な黒いドラゴンの顔・・!

「なななな、なんだぁー!??」

あまりの突然のことにオレの頭はパニックになる。
いったいいつの間にオレはこんなヤツに掴まったんだ・・!?
はっ・・!?
そういえばさっきまであれだけ日差しが強かったはずなのに、
今俺たちは巨大な影の下にいるじゃないか・・!
どうやら相当疲れてたらしい。周りの状態の変化に全く気がつけなかったみたいだ。

って・・・!
他の二人は元気なはずじゃないか。気がつけよ!
こんなときまでうっかりツッコんでしまう自分の性分に感心する。
そんなことを考えているうちに、オレは鱗で覆われた大きな手に羽交い絞めにされてしまった。

「あっ!!しまった・・・!!!」

すごい力だ。オレは解こうと必死にもがくが、びくともしない。
そしてドラゴンはオレをつかんだまま大きな羽を羽ばたかせる。
どんどん遠ざかっていく地面とナイツたち。
おいおい・・!これってマズイ状態じゃないか・・!?

「シュガー!!!」

ライアはオレの名を叫ぶとそのまま走りながら詠唱を始める。
長い詠唱呪文が言い終わると、ライアはキーワードを発する。

『フェアリーウイング!』

ライアの背中に一瞬羽のようなものが浮かびあがり、淡い光に包まれたかと思うと、
フワリと浮かび上がり、まっすぐこっち向かって飛んでくる。

浮遊の術だ!
オレを助けるために、あれだけ嫌がってた術を使ってくれたのだ。
こんな状況下だけど、オレはじーんと感動する。
やっぱり持つべきものは友達だなぁ・・・。

「ああ!置いていかないでください!」

空中へ浮かぶライアの足にひしっとしがみつくナイツ。
その瞬間・・・

「いやーーーー!!!つかまるなぁあああ!!!」

珍しく黄色い悲鳴を上げ、
ゲシゲシとナイツを足蹴にするライア。

「そ、そんなこと言ってる場合じゃないですっ!!上見ませんから落とさないで〜〜!」

ライアにぼこぼこに蹴飛ばされているナイツを見て、オレはちょっとすっきりした。
ふっ・・オレをヘンタイ呼ばわりした罰だな。

「いいか!ぜっっったい上を向くんじゃないぞ!?」

ライアも今はそんなことを言っている場合じゃないと思ったらしく、ナイツにきつく念を押すと、再び術のコントロールに集中し、スピードをあげる。
あっという間にライアとナイツはドラゴンに追いつき、オレの元へと来てくれた。

「今助けるぞ!シュガー!」

「ライア〜〜!」

ライアは必死にオレをつかんでいるドラゴンの手を解こうとするが、ライアの力では解けそうもない。

「ダメだ・・!わしの力じゃ・・!」

「僕がやってみます!」

そういうとライアの足元にいたナイツがライアの体を伝ってよじ登ってこようとする。
・・・が

ふに。

オレからみても別に悪気は無かったと思う。
たまたまナイツの手が、ライアの胸に触ってしまった。
わなわなと肩を震わせるライア・・
そして

「い・・・・いやーーーっ!!!」

げし!!

キーンと響く悲鳴とともにライアの放った強烈なキックは、ナイツの頭にクリティカルヒット!
そのままナイツはのびてしまう。
慌てて足でナイツをキャッチするライア。

「ああ!?ナイツ!!ばかもの!!こんなところで気を失うなっ!!」

いや・・ライアが気を失わせたんだろーが。
思わず冷静に突っ込みしてしまうオレだったが、
次の瞬間!ライアの背後に強大なドラゴンの手が迫るのが目に入る・・!

「ライアっ!後ろ!!」

「え・・・?」

ライアはオレの声に気が付き振り向くが遅い!
あっという間にドラゴンの手に掴まってしまう!
ライアは必死にもがき脱出を試みるが、当然ながらドラゴンの手はライアから離れない。
それどころか、抵抗するライアに気を悪くしたのか、ドラゴンは掴む手に力を入れる。

「ううぅ・・!」

ライアはそのままクタリと気を失ってしまう。

「ライアー!!この野郎!離せっ!!!」

オレはライアを助けようと、もう一度全身にめいいっぱい力を入れるが、ビクともしない。
くそ・・!どうしたら・・!

― こうなったら・・あれしか・・

頭によぎる一つの案。
だけど・・また暴走して意識がなくなったら・・・
一瞬迷ったのが命取り、ドラゴンの手の締め付けがいっそう強くなる。

ヤバイ・・息ができない・・!!!
朦朧とする意識の中、オレはもう一度気を失ったライアのほうに顔を向ける。
彼女の紫の髪が視界に入った瞬間、オレの意識はフェードアウトしていった・・。

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